金環日食を安全に見るために




 金環日食は大変すばらしい現象です。しかし、太陽の光は強烈で、太陽がリング状になっても肉眼で直視するのは危険なほど眩しいものです。安全に太陽を見るためには、必ず日食観察用のメガネなどを使用し、危険を伴わないような方法で観望してください。また、それらを使用する場合でも、取扱説明書をよく読んで正しく使用してください。国立天文台のホームページには、安全な観測方法が詳しく記述されていますので、そちらのほうも参考にしてください。
金環日食にならない地域でも、下記の説明は当てはまります。

金環日食時の太陽の眩しさはどのくらいか
 下の写真は2009年1月26日にインドネシアのスマトラ島での金環日食のときに撮影した写真です。コンパクト・デジタルカメラを使用して撮影していますので、露出は自動露出です。画面に入ってくる光を判断して、カメラが勝手に露出をコントロールしています。したがって、2枚の写真は正確には比較できませんが、違いは理解できると思います。
 左の写真は、部分日食が始まる前に撮影しました。そして右の写真は金環日食の最中です。周囲の暗さの状況や、潮の満ち引きの様子がわかります。太陽を見てみると、その高さの変化と、眩しさの具合も理解できるかと思います。金環食の最中といえども、太陽は直視できないほどの眩しさであることが、この2枚の写真の比較から理解できます。
部分日食の開始前の写真 金環日食の最中の写真

日食の観望は専用の日食観察メガネを使用しましょう
 金環日食の場合も、最初は部分日食から始まります。太陽の中に月が完全に入ってリング状になるまでにはかなりの時間があります。その部分食の経過を見るためには、専用の日食観察メガネを使用するようにしましょう。
 望遠鏡で太陽を直視したり、肉眼でまぶしい太陽をずっと見ているのは危険です。

 金環の状態となったリング状の太陽も、肉眼で直視するのは危険です。眩しすぎますので、日食観察用のメガネをかけたまま見るようにしてください。その場合でも、念のため、長時間見続けないように注意してください。

写真は日食用に開発された日食観察用メガネです。最近では大型のカメラ量販店などでも入手できるようです。




ピンホール望遠鏡を使用しましょう
 ピンホール望遠鏡を使用すると安全に太陽を見ることができます。自作することも可能ですが、インターネットの通信販売を利用すると入手が可能です。下の写真は、その通信販売で入手したピンホール望遠鏡を組み立てて、太陽に向けたものです。写真左が、商品を開いてテーブルの上に置いた状態。中央の写真は組み立てた状態です。組み立てには30分程度を必要とします。そして、右の写真は太陽に向けて、太陽を投影した状態です。写真右端の白い丸の中に、投影された太陽が見えます。太陽の大きさは5ミリ程度でしょうか。
 安全に太陽を見ることができますが、太陽の大きさがやや小さいのが難点です。金環日食のときには、かろうじて太陽が欠けているのを認めることができるのではないでしょうか。ピンホール望遠鏡の構造を理解するには、とても良いと思います。

太陽投影板を使用しましょう
 天体望遠鏡には、太陽投影板がオプションとして販売されている場合があります。太陽投影板があれば、大勢の方が一緒に太陽を見ることができます。投影板に投影された太陽を見るので安全ですが、太陽がまぶしくない程度に太陽の大きさを拡大できるよう、適切な焦点距離の接眼鏡を選びます。また太陽投影板を前後して太陽の大きさを調整する必要があります。
 望遠鏡には、太陽を見るのに適さないタイプの望遠鏡もありますので注意してください。新たに購入される場合は、販売店などに相談してください。太陽投影板を使用する場合は、望遠鏡の取扱説明書をよく読んで正しく使用してください。望遠鏡に付属する接眼鏡にも、太陽を投影板に投影するために使用するには不向きな接眼鏡もありますので、注意が必要です。

望遠鏡に取り付けた太陽投影板 太陽投影板の部分の拡大 太陽投影板に投影した太陽

日焼け止め対策をしましょう
 長時間、太陽の方向を見ることになります。紫外線も強いため、特に女性の方は日焼け止め対策が必要となります。