日食とはどのような現象か


 太陽、月、地球が一直線上に並ぶと日食が起こります。このとき、太陽による月の影が、地球表面にできます。影を良く見ると本影と半影と呼ばれる部分がありますが、私たちのいる場所が半影の中に入れば、部分日食が見られ、本影に入ると金環日食か皆既日食を見ることができます。

上の図において観測者が本影の中に位置するときに皆既日食が見えます。半影の中では、部分日食が見えます。 上の図において観測者が擬本影の中に位置するときに金環日食が見えます。半影の中では部分日食が見えます。

 

すなわち、日食は月が新月のときにおこります。ただし、地球を回る月の軌道は、太陽を回る地球の軌道に対してやや傾いているために、新月になるたびに日食が起こるわけではありません。

図において、中心が太陽、青色の丸が地球、
黄色い点が月です。月の軌道面が地球の軌
道面に対して約5度傾いているため、地球と
月が上の図の、太陽をはさんで、前後方向の
ような位置関係にならないと日食は起こりま
せん。
天球上における赤道、黄道、白道の位置関係です。
赤道は地球の赤道を天球まで延ばした線、黄道は
地球から見た、太陽の通り道、白道は月の通り道
です。白道と黄道の交差する付近で日食が起こり
ます。
 

月の本影の部分に私たちのいる場所が入ると、私たちから見て、太陽と月がほぼ重なった状態となります。ただし、太陽と月の大きさは日食のたびに微妙に異なります。太陽に対して、月のほうが大きい場合は、月が太陽をすっかり隠してしまいます。これを皆既日食といいます。また、反対に太陽に対して月がやや小さい場合は、太陽の中に月がすっぽりと入ってしまいます。太陽のリングができたように見えるところから、この現象を金環日食といいます。

 太陽が欠け始めて金環日食あるいは皆既日食となり、再び太陽が光を取り戻して、元の姿に戻るまでに2時間30分くらいかかります。
なお、金環日食や皆既日食のときでも、現象の始まりは部分食から始まり、金環食あるいは皆既食となり、再び部分食となり終了します。

 

部分日食 金環日食 皆既日食