しし座流星群2009年



しし座流星群とは

しし座流星群のイメージイラスト(クリックで拡大)

 毎年11月の中旬から下旬にかけて、この時期に夜半過ぎに東の空に上ってくるしし座の方向から、空全体に流星がたくさん飛ぶのが見られます。これをしし座流星群と呼んでいます。しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群などとともに有名な流星群のひとつです。
 この流星群は33年ごとに大出現を見せることで知られており、1966年にはアメリカで1時間あたり10数万個の流星が観測されています。最近の研究で大出現の予測の精度が高くなり、日本でも2001年11月18日の夜から19日の明け方にかけて数1000個の流星が観測されました。
 2009年のしし座流星群の出現のピークは日本時間の11月18日の6時頃に1時間あたり100個程度の流星が出現すると予測されています。この時間はすでに夜が明けていますが、その1時間ほど前までは空が暗く、ピークの前ですが、それでもたくさんの流星が出現する可能性があります。



太陽に接近してチリやダストを放出してコマを
作る彗星のイメージイラスト

流星群はどこからやってくるか

 
流星のもとになっている物質は流星物質といいます。そのほとんどは彗星が起源となっています。彗星が太陽に近づくとたくさんのチリやダストなどを宇宙空間に放出します。これらは彗星の後を追いかけるように彗星の軌道上を回ります。これらをダストトレイルと呼んでいます。
 彗星の中には地球と交差するような軌道を持つものがあります。そのため、それらの彗星のダストトレイルもまた地球軌道と交差します。このダストトレイルの中を地球が通過すると、それらの物質が地球の引力に引かれて地球に飛び込んできて、上空約100キロの大気中で発光し、流星となって見られます。その大きさは、0.1ミリから数センチ程度とされています。これらの流星物質のもとになる彗星を母彗星といいますが、しし座流星群の母彗星はテンペル・タットル彗星で33年周期で太陽の周りを回っています。1998年に太陽に近づきました。

地球を横切るダストトレイルのイメージイラスト




いつごろどの方向に見えるか


 2009年のしし座流星群の出現のピークは日本時間で11月18日の明け方6時頃で、1時間あたり100個程度の出現と見られています。残念ながらこの時間、日本ではすでに夜が明けています。この少し前の5時以前が最もたくさん流星が見られるということになるでしょう。ただし、しし座流星群自体は、その日をピークとして前後何日間か継続しますので、この時期は、普段より流星が多く見られます。
 しし座は夜半を過ぎた頃、東の空から上ってきますが、流星はしし座の方向から空全体に飛びます。


どこでどのようにしてみるか

 しし座流星群に限らず、流星を見る場合はできる限り、星が多く見える夜空の暗い場所で見るようにします。夜空の明るい都会では、流星の見られる数が激減します。また、天体望遠鏡や双眼鏡は必要としません。肉眼で見ます。空全体が見渡せる夜空の暗い場所に出かけて眺めるとたくさんの流星を見ることができるでしょう。流星は空全体に飛びます。東の空にこだわらずに空全体を見るようにします。
 1時間あたり100個という数字を聞くと、数字だけが一人歩きしますが、実際に見ていると一人で見られる流星の数はその半分以下、あるいはさらにそれ以下と考えた方が良いでしょう。流星が飛んだ方向を逆にたどると、全てしし座にたどりつきます。しし座にたどりつかない流星があるとすれば、それは、たまたま見えた散在流星と思ってください。しし座流星群は明るい流星が多いのが特徴です。中でも特に明るい流星は火球(かきゅう)と呼ばれ、ときどき痕を残すことがありますこれを流星痕(りゅうせいこん)といいます。
 山や、海へ出かけて見る場合は防寒着を持っていくことを忘れないようにしてください。また温かいコーヒーなどをポットに入れて携帯しましょう。車で山などに行く場合には、道路の路肩で見ると交通事故の危険性があるので、必ず駐車場に車を止めるように注意しましょう。

写真を撮るには

 最近のデジタルカメラは感度が良くなってきたため、流星をとらえることができるでしょう。ISO感度をノイズが目立たないようにできるだけ高く設定して、レンズはなるべく広角レンズを使用し、F値はレンズの周辺減光が目立たない程度に開放近くで設定します。ピントは無限大とします。星ではピントが合わせずらいのですが、ライブビュー機能のついているカメラの場合は、明るい星を導入して、5倍、10倍に像を拡大して、星の像が一番小さく見えるところで固定します。シャッタースピードをバルブ露出として、星が日周運動でずれないように30秒程度の露出で何度も撮影すれば、そのうちの何コマかに運が良ければ流星が写ります。

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