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病院
5月30日(月)
 このところ頻繁に、規模の大きな病院に行っています。私共の体調が悪いわけではなく、付き添いで行ったり、代理で薬をもらいに行ったりしています。感染拡大防止のために、どの病院に行っても感染対策は厳重です。

 昔と比べると、電子化がかなり進んでいて驚かされました。診察券も機械に通して受付をするようになっていました。帰りぎわの代金の精算なども、機械で行います。病院通いをされている方々にとっては、当たり前の光景なのでしょうね。

 規模の大きな病院ともなると、驚くほどの数の、患者さんや付き添いの方々です。その駐車場は、近所のスーパーマーケットの規模を上回ります。びっくりしました。具合の悪い方が、それだけいるということなのでしょう。

 しかし、どれほど電子化が進んだといっても、例えば、総合受付の窓口、各科の受付の窓口、そして代金の精算窓口などで待たされるのは、相変わらずです。電子化のおかげで、処理のスピードは上がっているのだと思いますが、それでもかなり待たされるという感覚です。これだけ待たされると、こちらまで具合が悪くなりそうな感じがします。

 何度も足を運ぶうちに、受付をはじめ、各科での診察の手順などを細かく観察するようになりました。おそらく、あと数年もすれば・・・次は、あなたの番ですよ。と言われているような気がするからです。この年になると、体のあちらこちらにガタがきます。機械と違って、劣化したらパーツ交換というわけにはいきませんからね。

 先日、生れてはじめて、内臓の一部を見る機会がありました。それは衝撃的でした。先生方は、このようなものを見ながら、手術の後、よくお昼ごはんを食べれるものだと、変なところに感心してしまいました。私も食べましたけど・・・。

 人間は、だれでも必ず、どこかで最後がきます。私共に残された時間は、それほど多くはありません。常日頃から考えていることですが、毎日を精一杯生きることが、今の自分のすべきことだと思っています。
風景画33作目(長良川鉄道秋景色)
5月15日(日)
 前作を完成させたのが2月27日(土)でした。約2か月半で今回の絵を完成させたことになります。意外と早く完成しましたが、その間にもいろいろな出来事があり、この期間は感覚的にはかなり長く感じました。出来事の多くは、信じられないようなことが多く、ショックが大きいものでした。なぜ、このようにいろいろなことがふりかかるのだろうかと思ってしまいます。

 それらの多くは、自分ではどうすることもできません。おそらく、時が解決してくれるのでしょう。時がたてば、その流れの中で解決するか、あるいは私共の記憶の中から次第に薄れていくかのどちらかです。今直面している問題は大きなことです。それでも昼間のうちに、精いっぱい体を動かし、風景画や太陽面の撮影に集中することにより、ほんのひと時ですが、忘れることはできます。昼間体を動かしたおかげでしょうか。夜は床に入るとすぐに眠りにつくことができます。

 今回の風景画は、岐阜県関市が舞台です。私共が定期的にプラネタリウムの投影を行わせていただいている、関市まなびセンターの近くに、長良川鉄道の踏切があります。関駅の近くです。その踏切の近くから山の方を見た景色が、今回の題材です。山の形が独特で、初めて見た時には、このような形の山が存在するのか…と思った次第です。そこを走る気動車とともに、風景画におさめました。

 こどもの頃に慣れ親しんだ湊線(現在は、ひたちなか海浜鉄道湊線)を思い出すのかも知れません。小学生の頃、電車の線路に耳を押し付けて、遠くから線路ごしに聞こえてくる電車の音を確かめたことが何度もありました。今なら、絶対に許されないような行為ですね。よい子は真似しないでください。当時は(今もそうかも知れませんが・・・)1時間に1本くらいしか電車がやってきませんでしたので、線路沿いは私たちの遊び場でした。夏になると、海水浴客が押し寄せるために、勝田駅から国鉄の蒸気機関車が乗り入れていたことを覚えています。

 教え子のひとりから、なんでそんな景色を題材にするのですか・・・と言われてしまいましたが、他県からくる者にとっては全てが珍しく、一度は風景画で描いてみたいと思っていました。地元に住んでいると、何の変哲もない景色なのでしょうね。かなりのディテールまで描いたつもりです。反省点もあるのですが、これで筆をおくことにしました。


白川郷の上空にかかる天の川(星景写真 5月5日 岐阜県大野郡白川村)
5月6日(金)
 白川郷で撮影した天の川の写真をアップします。撮影できたのはこれだけです。あと一か所で撮影したい写真があったのですが、さすがに当日の朝から仕事があったため、この撮影で終わりにしました。もう一枚の写真は、次の機会に挑戦するつもりです。

 何度撮影しても難しいものだなと思います。今回は比較的軽めの画像処理をしました。当日見た印象を重視したものです。

 前回、白川郷に撮影に行ったのは2021年10月29日(金)です。以来、約半年ぶりに白川郷を訪れました。といっても、最近は夜しか行きませんので、昼間の状況はさっぱりわかりません。今回が16回目の白川郷となりました。

写真のデータ
 2022年5月5日00時05分から00時12分 EOS1DX HKIR EF16-35mm F2.8LⅡUSM 23mm F4.0 ISO6400 13秒×30フレーム 総露出時間6分30秒
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 岐阜県関市 5月4日から5日)
5月6日(金)

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、前回の投影は、昨年の12月11日(土)と12日(日)の2日間の投影が最後でした。以来、約5か月ぶりに投影が再開されました。

 施設のまわりは新緑が見事です。建物の改修工事の関係で、外まわりには足場がかけられています。プラネタリウム施設の中も、まもなく工事が入るようです。その関係で次の投影は、6月・7月がなく8月となります。


 滞在先の茨城県ひたちなか市から、岐阜県関市まで往復しました。移動距離約510キロ、トイレ休憩なども含めて約8時間かかりました。3日(火)午前中から設営作業を行いましたが、あいだが空いてしまったため、各コネクターまわりで、接触不良などが発生し、トラブルをクリアーするのに少し時間がかかってしまいました。

 その日の夜9時の星空の解説と、後半部のテーマ解説の2部構成です。後半部は「天体望遠鏡について知ろう」というテーマです。最近撮影してストックしてあった天体写真や、撮影中の天体望遠鏡の写真などをおり交ぜて解説しました。

 約5か月間のブランクがありました。解説を始めるまでは、まったく何も考えていませんでした。話をしながら、これまでの解説の感覚を取り戻していく感じでした。それで特に問題はありません。2回も投影を行うと、ほぼ本来の感覚に戻っていました。視力の方も、前回からさほど衰えたという感じは受けませんでした。

 このゴールデンウイーク後半は、とても良い天気が続きました。夜は、市民天体観望会がありました。たくさんの参加者に来ていただきました。月や春の星雲・星団をお楽しみいただきました。

 体は疲れていましたが、観望会終了後に教え子のひとりと共に、白川郷まで車を走らせました。関市からは片道約2時間です。合掌造りの建物の上に広がる夏の天の川を撮影するためです。2019年の同じ時期に、同じ場所から同じ対象を撮影しています。ただ、その結果には満足できていなかったため、今回の撮影となりました。

 白川郷は、天気予報から現地の天候の状況を判断するのが極めて難しい場所です。晴れの予報が出ていても、現場に到着すると雲の中であったりします。しかし、今回は良く晴れていました。合掌造りの建物の上に広がる天の川を撮影すると、そうそうに機材を撤収して引き上げました。翌日の投影のためです。

 5月5日(木)はたくさんの入場者でにぎわいました。こども達が多く、静かにさせるのは大変ですが、このような状況下での投影は慣れています。いつもの解説とは少し異なる雰囲気で解説しましたので、問題はありませんでしたが、館のスタッフの方は、少し驚かれた様子でした。

 最も心配したのは、復路の渋滞でした。ゴールデンウイークの最終日です。新東名の渋滞を心配しましたが、私共がそこを通過する頃には、渋滞は全て解消されていました。午後5時頃関市を出発して、ひたちなか市に到着したのは、翌日の午前1時30分過ぎでした。大変疲れましたが、そのあと、機材を全て保管所に戻してから床につきました。体力的には、まだまだ大丈夫です。

 到着してすぐ夜空を見上げると、光害はありますが、はくちょう座から、わし座付近を流れる天の川が良く見えていました。
天体写真2点
5月1日(日)
 4月28日(木)の夜、滞在先の庭先で撮影した写真です。鏡筒の方はまったく問題ありませんが、それを載せる赤道儀、コントローラー、そしてそれらを制御する、パソコンのソフトウエアについては、いまだにパラメーター等の設定中です。特に、天体の追尾制度が、あと一歩のところでとどまっています。

 状況は下の4月16日(土)のところで記述したとおりです。しかし、それでも、天体の導入から、星を追尾するためのオートガイドの制御、そして撮影までを一貫して制御してくれる、ステラショット2というソフトウエアは、大変便利です。下の2枚(3枚ありますが、うち1枚は、単に画像を拡大しただけです)は、それを使用して撮影しました。鏡筒にカメラを取り付け、パソコンに全てを接続すれば、あとはパソコンの画面上で全ての操作ができます。

 滞在先の庭先では、光害の影響をうけます。光害カットフィルターを取り付けての撮影ですが、星々のバックグラウンドにわずかにムラができるようです。画像処理の段階で、可能な限り消し去りましたが、次回撮影するときには、光害カットフィルターを取り外して撮影し、それが原因なのかどうかを検証してみたいと思っています。本来は、画面全体をもう少し明るめに処理したいところですが、ムラが目立ってしまうので、やめてしまいました。

 真ん中の画像は、一番上の画像の拡大です。中央部のみをトリミングして、惑星状星雲のディテールを見るためです。星雲の中心部に見える、針で突いたような星が、惑星状星雲のもとになっている星です。

 次の機会にパラメータ等を追い込みつつ、もう少し露出をかけながら、別の天体を狙ってみたいと思っています


写真のデータ
M57(こと座の惑星状星雲)
2022年4月29日 02時09分から03時30分
TOA150B フラットナー・×1.5エクステンダー EOS6DHKIR ASTRO LPR2フィルター ステラショット2による撮影
ISO1600 60秒 36コマ 総露出時間 36分 周縁部をややトリミング 茨城県ひたちなか市

写真のデータ
M13(ヘルクレス座の球状星団)
2022年4月28日 22時42分から29日 1時53分
TOA150B フラットナー・×1.5エクステンダー EOS6DHKIR ASTRO LPR2フィルター ステラショット2による撮影
ISO1600 60秒 53コマ 総露出時間 53分 周縁部をややトリミング 茨城県ひたちなか市
ネモフィラ(国営ひたち海浜公園 4月28日 茨城県ひたちなか市)
4月30日(土)
 4月28日(木)は、午前中の気温が低く、風も相当強かったのですが、午後から天気が回復してきて、穏やかな晴天となりました。風もおさまったため、姉を連れて、国営ひたち海浜公園に行ってきました。姉の家からは、直線距離にして約4キロです。

 4月20日(水)頃から、みはらしの丘に咲くネモフィラが満開となり、見頃をむかえているためです。ゴールデンウィークに入った現在、公園はたくさんの人々でにぎわっているようです。周辺道路も、公園の駐車場に入れない車が列をなしており、渋滞しているようです。

 私共が訪れたのは、平日の午後であり、ゴールデンウィークに入る直前であっため、さほどの混雑ではありませんでしたが、それでも入園者はたくさんいたように思います。下の画像の、丘の上の人だかりをご覧いただければ、その様子がお分かりいただけるのではないでしょうか。これでも平日の午後であり、閉園の時間も迫っています。

 姉は、公園入口から、みはらしの丘まで歩くことが困難です。かなりの距離があるためです。入場口で車いすをお借りし、車いすを押して丘まで連れて行きました。空の色に溶け込むように、ネモフィラが満開になっていました。天気も良くて一番よい頃に来たように感じました。

 5月に入る前に連れていく必要がありましたが、目的を果たせて一安心です。近くに滞在していても、なかなか見ることができません。また見ることができるとよいのですが・・・。


野生動物の足跡
4月19日(火)
 滞在中の地域での、昨夜の雨は本降でした。周りにはサツマイモ畑が広がります。その雨で畑の土は水分をかなり含んでしまったようです。昨日の夕方の散歩のときには、幸いにも雨は小康状態でしたので、濡れることはありませんでした。今日の同じ時間に散歩した時は、よい天気でした。ふと、畑の方に目をやると、何やら動物の足跡が、雑木林のほうまで続いていました。爪跡が雑木林の方に向いているので、おそらくそちらのほうに歩いて行ったのでしょう。

 ペット用として買われている犬は、このように畑を横切ることはありません。おそらく、野生動物だと思われます。タヌキ、キツネ、野ウサギ、ハクビシンあたりのいずれかだと思われます。

 ハクビシンは外来種ですが、この地域での目撃情報があります。国内では本州の東半分などの地域にに生息していると言われていますが、私共はまだ見たことがありません。

 サツマイモ畑の土は、水はけがよくやわらかそうです。ある程度の体重の動物が載ると、その足跡は、少し深く沈むようです。

 私共は、野生動物の専門家ではないので、どのような動物なのかは見当がつきませんが、ネット上で調べてみると、ハクビシンの足跡のように見えなくもありません。畑のあちらこちらに見ることができました。すなわち1匹だけではないということなのでしょう。

 昨日の夕方にはなかったので、雨が上がった明け方あたりに歩いた跡なのでしょうか。いずれにしても謎です。まもなく、その畑には、干し芋用のサツマイモが植えられることになるでしょう。

J型赤道儀とステラショット2
4月16日(土)
 J型赤道儀(高橋製作所製)は、1977年12月に、TS式160ミリ反射望遠鏡を搭載するために発売された赤道儀です。発売された当時、ずいぶんと頑丈な赤道儀が発売されたものだなと思っていました。ただしこの赤道儀には、現在では多くの架台に内蔵されている極軸望遠鏡がありません。当時、恒星の動きをモニターしながら、極軸を追い込んでいく作業は、とても大変なものでした。

 あれから約40年以上が経過して、私共の教え子のひとりから、この赤道儀を借用することになりました。おそらく、私共の体が動かなくなり、天体写真の撮影ができなくなるまで、少なくともあと数年は、お借りしていることになるのではないでしょうか。

 赤道儀の画像は、下の3月7日(月)のところにあります。発売当初、この赤道儀の色は黒だったはずですが、現行の高橋製作所のカラーに再塗装されています。極軸望遠鏡がないために、赤緯軸のシャフトが赤緯体を貫いています。このため、赤緯方向に望遠鏡を回転させると、バランスウエイトもまた、回転するようになっています。

 バランスシャフトは改良されており、EM400用のバランスウエイトを取り付けるようになっています。1個あたり8キロです。架台は搭載重量が30キロまでとなっています。TOA150Bを取り付けると、鏡筒バンドまで含めると25キロになります。バランスウエイトは最低でも2個必要です。天体写真撮影時は、これにガイド鏡が加わります。いろいろ試した結果、現在はBORG100EDを、幅の狭い2つの鏡筒バンドに取り付けて搭載しています。合計で約30キロ近くなるでしょう。

 この重量となると、さすがにJ型赤道儀といえども、多少のたわみを生じるようです。風があると、星の追尾誤差が大きくなり、長焦点での撮影は困難となりますが、無風状態では実用になります。

 ガイド鏡は、ちょうどファインダーのように、鏡筒バンドの3本のネジで向いている方向を調整し、主鏡とその向いている方向を完全に一致させます。このようにすると、口径10センチでは1秒の露出でも、リアルタイムの画面内には、星雲・星団が写っているので、主鏡に取り付けたカメラの構図を決めるのには時間がかかりません。

 望遠鏡の焦点距離が長くなると、導入した天体をカメラの画角の中央部に持ってくるには、相当な時間が必要となります。暗い中で、この作業をやった経験のある方なら、理解できるのではないでしょうか。それをわずかな時間で終了させるための工夫が、このようなガイド鏡となりました。

 以前、その教え子たちと、天体写真撮影に行ったときのことです。この架台にTOA150Bを搭載すると、鏡筒が長くて、クランプには手が届きません。また、天頂付近に望遠鏡を向けると、カメラの取り付け部は、地面から約30センチ程度の距離しかなく、液晶画面をのぞき込むことすらできなくなります。

 私共が地面に仰向けになって、天体の導入やカメラの構図に苦労しているのを見かねて、その教え子が、この架台のモーターを高速駆動・自動導入対応型に改造してくれました。記憶がはっきりしませんが、昨年の5月頃だったと思います。

 それから現在まで、この駆動系のセッティングに手間取りました。モーターとコントローラーを含めた駆動系は、調整のために私共と教え子の間を行ったり来たり・・・。特に苦しめられたのは、冬場において、モーターが脱調する問題でした。架台への取り付け部、極軸体のギアの与圧調整、コントローラーの電流値調整など、考えられるほとんどの部分に手を加えました。途中で投げ出そうかと思った時もあったくらいです。最近になって、ようやく、撮影できる状態までこぎつけました。

 望遠鏡、ガイド鏡、カメラの全ての制御に欠かせないのが、ステラショット2です。これまでのバージョンでは、私共の使用環境において、いくつかの問題が発生しました。その都度、発売元のサポートに状況を報告し、指導を仰いだり、ソフトウエアの改善を行っていただきました。対応は、とても親切で丁寧です。このようなサポートがバックについていてくれる限り、安心してソフトウエアを使うことができるでしょう。現在の課題は、オートガイドの精度を上げることです。このため、ソフトウエアの各パラメータの追い込み作業を行っています。

 昔は、星図を傍らにおいて、望遠鏡のファインダーを使用し、星図と比較しながら、天体の導入を行っていました。このため、有名な星雲・星団の場合には、まわりの星の配列は頭に入っており、すぐに導入できたものです。しかし、今のシステムにおいて、ターゲットの天体の導入は自動化されています。

 パソコンを見ながら、目標とする天体をクリックすれば、望遠鏡がそこに向いてくれます。それはまるで、カーナビを頼りに目的地に行く感覚に似ています。ステラショット2には、プレートソルビング(導入補正)という機能があり、テスト撮影した画像をもとに、望遠鏡の向いている方向を特定し、ターゲットを画面の中央に持ってくる機能があります。

 とても便利な機能ですが、内臓の星図との照合に失敗することもあるために、前述の口径の大きなガイド鏡を搭載した次第です。撮影環境は整いましたので、これからさらにガイドの精度を上げ、夏頃までにはフィールドに持ち出せるようにしたいと考えています。

 パソコンの画面を眺めているだけで、天体写真が撮影できてしまうのは、とても便利です。しかし、暗い星空の下で、星空を見ないで、パソコンの画面とにらめっこしている自分を客観的に見て、「なんだかなー」と思っています。

 さて、フィールドに持ち出すときの深刻な問題があります。それは、機材の重量が重すぎることと、システムが複雑で、コード類がたくさんあるため、セッティングに時間と体力が必要になることです。暗い中で、全ての作業が完了する頃には、精も根も尽き果て撮影する意欲がまったくなくなってしまうことです。年をとるというのは、こういうことなのでしょうね。

 教え子には、忙しいにもかかわらず、時間を割いて対応してもらいました。とても感謝しています。最近では、天体写真に関して、私共から教え子に教えを乞う場合も多く、師弟関係が逆転してしまったようです。教え子の著しい成長ぶりを頼もしく思っている次第です。
太陽面の拡大写真
4月7日(木)
 太陽面の撮影を再開してから、約2か月が経過しました。2017年9月以降の撮影を中断していました。1609日間、すなわち約4年5か月ぶりに2月6日(日)から再開しています。この2か月の間に、感覚がだいぶ戻ってきて、撮影テクニックも再開する前の状態に戻っています。

 使用する望遠鏡の方は従来通りですが、撮影に使用するカメラやソフトウエア、そして画像処理のプロセスは、従来とは異なる方法であるため、最初は戸惑いました。この2か月の間に、パラメーター設定などを追い込み、やっとある程度のクオリティーを確保できるようになりました。

 撮影から画像処理のプロセスまでの全てを含めて、処理が適切に行われているのかどうかを、客観的に判断するには、気流の状態が良い日に、太陽面の粒状斑を撮影するのがいちばんです。

 海外では、年間を通して気流の良い地域も多く、大変クオリティーの高い画像がアップされていてうらやましく思います。日本国内では、冬場に解像度の高い画像を得ることは困難です。気流の状態の良い日が少ないからです。春になると、その状況が変わってきて、気流の良い日がおとずれるようになります。

 今日がまさにそうでした。北東の風が強く、空のコントラストもいまひとつでしたが、上空の気流は落ち着いていたようです。太陽面の拡大写真では、粒状斑がびっしりでした。下の画像の中の、米粒のような丸い点々がそれです。

 太陽の光球面に見られる粒状斑とは、穀物の粉を引き詰めたように見えるところから、その名がつけられたとされているようです。ガス体である太陽の下層から運ばれる熱によって生じる現象です。沸騰したみそ汁にできる丸い模様のようなものにたとえられます。その一粒一粒の大きさは、約1000キロです。横浜から山口県あたりまでの距離に相当するでしょう。10分程度で消えては、また新しいのが出てきます。

 粒状斑は、本来は多角形の構造です。口径125ミリ程度の望遠鏡では、丸く写りますが、それ以上の口径では、多角形に写すことができます。気流の状態がベストでなくてはなりません。日本では年に数回、このチャンスがおとずれます。私共の太陽面撮影の取り組みのひとつは、この多角形をした粒状斑を写すことです。できれば、それを数時間にわたって撮影して、動画にしてみたいと思っているのですが、その実現には、気流の状態、それに時間と労力を要求されます。

 本日撮影した太陽面の画像をアップします。ほかの画像や撮影データは、こちらをご覧ください。また、多角形をした粒状斑をとらえた画像は、こちら(上から3番目の画像)にあります。これからは、気流が良い日が増えてくるので、解像度の高い画像を得られるようになってくるでしょう。


案内
3月30日(水)


 ここ数年、天体写真撮影で撮影現場で合流する星仲間が、私共の滞在する、ひたちなか市周辺に用事があったので、時間を作って顔を出してくれました。

 今月上旬にお会いしたばかりでしたが、いつもは暗い中です。撮影中は集中しているので、お互いに話をする時間は限られています。今回は、昼間であったため、午前中から午後にかけて、ゆっくり話をすることができました。

 国営ひたち海浜公園は、早咲きのスイセンや菜の花が見頃をむかえています。

 それを見たのち、那珂湊おさかな市場近くの食堂で新鮮な魚を食べました。あいにく水曜日は定休日のお店が多かったのですが、事前に、営業中のお店を地元の方から教えてもらい、そこに行きました。

 橋のすぐそばにあるそのお店は、私共よりも年配のご夫婦お二人で、お店を切り盛りされているようでした。

 写真の刺身定食をオーダーしました。魚の種類は、マグロ・サーモン・シラウオ、そしてノドグロでした。ノドグロが刺身で出てくるのは、このあたりでは大変珍しいことです。どれも脂がのっていて大変おいしいものでした。

 そのあと、私共の滞在先に立ち寄ってもらい、風景画や天体写真撮影機材などを見てもらいながら、情報交換を行いました。とても楽しいひと時でした。朝のうちは時折小雨が降っていましたが、そのうち日が差してきて、とても穏やかな一日でした。次の撮影日の打ち合わせなどをして別れました。

 写真は、ひたち海浜公園のスイセンと、お昼に食べた刺身定食です。見晴らしの丘のネモフィラが一分咲き程度でしょうか。来月下旬には見頃をむかえるのではないでしょうか。
双眼望遠鏡のクリーニング(ニコン20×120 Ⅱ型)
3月24日(木)

 この双眼望遠鏡に関しては、この「星雑記」の2019年4月19日(金)のところで記述しています。よろしかったらご覧ください。こちらです。1957年頃に製造されたもののようです。船舶・監視・天体観測などが主な使用目的だったようです。この双眼望遠鏡は、おそらく船舶で使用されていたものでしょう。

 再塗装された跡がありますが、それも経年劣化で、手で触れるとぼろぼろと塗装がこぼれ落ちてきます。ネジ止めしている部分にまで、塗装が埋まっているので、分解することはできません。しかし、幸いなことに光学系は、比較的きれいな状態です。

 物置に保管していました。室内よりも湿度が低いように思っていたためです。しかし、今日取り出してチェックしてみると、対物レンズの表面に、わずかなカビが発生していました。乾燥剤を詰め替えるだけの予定でしたが、レンズもクリーニングしました。この写真は、その際に撮影したものです。

 鏡胴の中央部に、天体を導入しやすいように、ファインダーを取り付けてあります。本来は、野鳥の撮影などに使用するものです。また、フォーク型のマウントは、私共が図面を起こして、大阪にある金属加工を行ってくれる会社に発注して製作してもらったものです。使い勝手がよく、この双眼望遠鏡にはぴったりでした。ワンタッチで三脚に乗せて、天体の観望に使用しています。

 昨年の部分月食の折には、威力を発揮してくれました。中心像は十分にシャープです。月を見ると、エッジの部分にやや色がつくのは、仕方がないでしょう。彗星が現れた時などにも威力を発揮してくれることでしょう。

 ただ、問題は車に積むときのスペースが確保できないことです。簡単な撮影機材を持っていくときには大丈夫なので、そのようなときに持ち出すようにしています。物置に置くのをやめて、ほかの望遠鏡とともに、室内に保管することにしました。
光学機器のメンテナンス
3月23日(水)
 メンテナンスといっても、湿気が原因で、レンズ類にカビが発生しないよう、定期的に乾燥剤を入れ替えるだけです。

 冬の間は湿度が低いので、2カ月か3カ月に一度くらい入れ替えれば充分です。しかし、これからの季節は、ひと雨ごとに湿度も高くなってくるので、放置しておくと知らない間に、レンズにカビが発生していたりするので注意が必要です。

 この作業は、丸一日かかります。屈折望遠鏡の対物レンズ、反射望遠鏡の鏡、接眼鏡、バローレンズなどの拡大光学系、フィルター類、カメラボディー及びレンズ、双眼望遠鏡及び双眼鏡などです。どれも現役で使用しているものですが、かなりの数になります。

 中でも、最も神経を使うのは、TOA150B(高橋製作所製)という口径15センチ屈折望遠鏡です。

 下の3月7日(月)のところにアップした写真がそれです。持ち運びできる(持ち運びする方はあまりいません)屈折望遠鏡としては、最大級の大きさと重量です。鏡筒部だけで約20キロ(鏡筒バランスウエイトを含む)あります。

 段ボールから取り出して、鏡筒をカビの発生から守っているビニール袋を取り除くだけでも一苦労です。ただ、最近ではそれも慣れてきました。持ち運びするときにも、力の入れるポイントがわかるようになってきたせいか、あまり負担に感じなくなりました。車に乗せるとかなりのスペースを占領するので、ほかの機材も含めて、車への積み方とそのレイアウトにはコツがいります。

 上の写真は、段ボールとビニール袋から取り出したところです。手前にあるのは、主に太陽面のカルシウムK線での撮影に、長年使用しているBORG100ED(焦点距離640mm)です。大きさを比較するために、手前に置いてみましたが、TOA150Bの巨大さがお分かりいただけるのではないでしょうか。

 右の写真は、対物レンズ側から撮影したTOA150Bです。レンズはきれいな状態ですが、海の近くで使用することも多く、海塩粒子やほこりなどが、ごくわずかに付着しているようです。

 基本的に、この対物レンズには触れないようにしています。教え子のひとりに、天体望遠鏡の専門家がいるので、会ったときに、クリーニングを頼むようにしています。なので、安心して使用できます。

 上の写真の、画面右端のカーペットの上においてあるのは、ミューロン210ミリ反射望遠鏡(高橋制作所製)です。マークXカラーに塗り替えました。こちらも、教え子にクリーニングしてもらったので、鏡はピカピカの状態です。すでに30年近く使用しています。

 作業はほぼ完了したのですが、物置の中にある、ニコンの旧式の12センチ双眼望遠鏡が残っています。明日以降に作業をする予定ですが、こちらも重量級なので、作業が大変です。

 いずれは手放す運命にある、これらの機器ですが、体が許す限り使用するつもりです。
天体写真撮影(妙義山中之嶽神社付近 群馬県甘楽郡下仁田町 3月5日から6日)
3月7日(月)
 標記の場所に、3月5日(土)から6日(日)にかけて、天体写真撮影に出かけました。新型コロナウイルスの感染者の数が、高止まりしている状況であったので、感染対策に充分注意して、立ち寄る場所を最小限にしました。いつも合流する星仲間と一緒です。

 撮影中は、お互いに集中しているので、話はしませんが、手を休めている間に、いろいろと情報交換などができるのは、とても楽しいひと時です。

 今回は、残念ながら撮影した写真を、画像処理するまでには至りませんでした。

 天体写真撮影に出かけるのは、1月4日(火)から5日(水)にかけて、石廊崎で撮影して以来約2か月ぶりです。また、この場所での撮影は、これが2度目です。

 空は、南東の空において、市街地の光害の影響がありますが、北から南西の空にかけては、バックのコントラストもよく満足のいく空です。特に、妙義山の背後に見える北極星を中心とした星空は、見応えがあります。

 滞在先である、茨城県ひたちなか市から直行しました。距離にして片道220キロ、撮影現場までの所要時間は約3時間30分でした。横浜から、天城高原に撮影に行くのと比較すると、距離も所要時間も、こちらの方がやや遠いようです。

 ただし、ほとんどが高速道路です。山道を走るのは松井田妙義インターチェンジをおりてから、約9キロ程度です。天城高原に行くのに、伊豆スカイラインをかなりの距離走るのに比較すれば、動物の飛び出しのリスクも少ないので安全ですが、落石には注意が必要そうでした。

 現場に到着すると、強風が吹き荒れていました。この傾向は日付が変わっても続いていました。このような日には、長焦点での撮影は避けるべきですが、今回は、あえてそれに挑戦しました。

 結果、ほとんどの画像において、星が流れており、使い物になりませんでした。現場でテストしなくてはいけない項目が多かったので、今回は、成果がなくてもかまわないと思っていました。

 赤道儀(借用品)の駆動系を、自動導入対応にしたことで、様々なトラブルが発生しました。昨年の9月頃から、問題点をひとつひとつクリアーして、やっとここまで来ました。まだ、根本的な問題が解決しないまま、撮影現場に持ち出しました。

 その根本的な問題は、今回も現場で発生してしまいました。いろいろ考えた挙句、この問題を力業で解決しました。具体的に記述すると、笑われそうなので書きません。自動導入が必要なのは、一晩に数回程度ですから、これで問題はありません。気温が低い(当日は2度まで下がりました)時にのみ発生する問題です。それ以外の季節では問題ありません。しかし、ひとたびトラブルが発生すると、赤道儀そのものが機能しなくなるような大きな問題です。

 1月10日(月)のところで記述した、ポータブル電源も、初めて現場に持ち出しました。望遠鏡駆動用のモータードライブシステム、パソコン、冷却CMOSカメラの電源などに使用しました。これらを合わせると約60Wになります。このポータブル電源では24時間程度使えるという表示になっていました。充分に実用の範囲でした。ただし、望遠鏡のレンズの結露防止用のヒーターは、別の電源から取っています。

 自動導入、オートガイド、撮影までを管理するソフトウエアを使用して、全てのテストを現場で行うのは、これが初めてですが、比較的うまくいったと思います。今後、さらに使い方に慣れれば、充分に実用になり、撮影も効率的にこなすことができるでしょう。

 遠征しただけの価値はあったと思います。このプロセスを経ないと、これから先に進むことができません。上の写真は、妙義山をバックに撮影した私共の撮影機材です。移動で使用するには、重量の限界近い機材ですが、だいぶ慣れました。近くで見る妙義山の垂直にそびえる岩峰郡は圧巻です。
カルシウムK線による太陽画像
3月4日(金)
 昨日撮影したカルシウムK線による太陽画像です。太陽面の周縁部(特に画面下の部分)には、突起物のようにプロミネンスが写っています。カルシウムK線で撮影しても、プロミネンスが写ることは、以前から知っていました。国内でとらえた例は、少なくとも私共は存じ上げません。しかし、私共が太陽面の撮影の手本にしている、海外の方は、ときどきそのような写真を公開していますので、珍しいものではありませんし、おそらく国内の天文台でも、当たり前のことなのでしょう。

 活動の激しい明るく輝くプロミネンスは、これまでにも、私共の撮影の最中に、カルシウムK線において目撃することはありました。しかし、Hα線で見るように、毎日見ることができるものではありませんでした。

 太陽面の撮影を再開するにあたって、撮像用のカメラを最新型に交換しました。このカメラは、このカルシウムK線(波長393.3nm)の感度が、私共が再開する前に使用していたカメラに比較して高いらしく、ご覧のように、簡単に写ってしまいました。

 今後は、撮影のプロセスがひとつ増えますが、機会あるごとに、この波長によるプロミネンスも撮影してみたいと考えています。昨日撮影した太陽面の、ほかの画像は、こちらをご覧ください。

 なお、カルシウムK線は、肉眼の感知限界に近く、モジュールに接眼鏡を取り付けて、眼視で太陽面を覗いてみると、見えるという方と、見えないという方がいらっしゃるようです。私共も、もちろん挑戦してみましたが、肉眼では見ることができませんでした。

 ただ、肉眼で見えないだけで、強い光は出ているはずです。目を傷めそうなので、一度挑戦したきり、あとはパソコンのモニター上でしか、その姿を見たことはありません。
風景画32作目(鵠沼海岸の夏)
3月3日(木)
 前作である「松本城の秋」を完成させたのは、昨年の12月23日(木)でした。以来約3か月かかって今回の風景画を仕上げました。だいぶ時間がかかってしまったように感じています。この間、いろいろなことがあったためです。風景画を描く時間が確保できない日もありましたが、それでも何とかここまで仕上げたといった感じです。

 藤沢市に出かけた時の散歩コースとして、鵠沼(くげぬま)海岸まで一直線の道を約1時間ほどかけて歩くことがあります。すなわち往復で2時間です。夏になると海が見たくなり、この場所へ行って、しばらく海を眺めてから戻ってきます。そのような機会が年に数回ほどあります。日本における、サーフィン発祥の地です。そしてビーチバレーもそうです。湘南海岸を代表する景色のひとつです。

 画面左側の、さらに左手(キャンバスの外側)には、神奈川県立湘南海岸公園があります。そこまで往復して、冷たいペットボトルを自動販売機で買って、それを飲みながら海を見るのが私共のここでの過ごし方です。

 町中から海岸に出るには、国道134号線を横断します。その歩道橋から見た景色が、今回の作品となりました。向こうに見えるのは、江ノ島です。夏の昼下がりの雰囲気が出ているとよいのですが・・・。

 中学校の修学旅行の時に、初めて江の島を見ました。湘南海岸もです。私共の生まれ故郷の、ひたちなか市の海岸線とは、ずいぶんと異なり、おしゃれな感じがしたのを覚えています。夏の夕暮れ時など、この海を見ながら何も考えないで、ぼんやりと過ごす時間がとても気に入っています。
ふきのとうとバインベリー
3月2日(水)
 実の姉の家の庭先の、ふきのとうが食べ頃をむかえています。

 そのうちの何個かを利用して、姉がふきのとう味噌を作りました。また、残りをてんぷらにして、晩御飯のおかずとして出してくれました。

 春の気配を感じる独特の香りと、ほんのりとした苦みがあり、ふきのとう味噌もてんぷらも、どちらもたいへんに美味しいものでした。

 特に、てんぷらは、油にもこだわり、最高級の油を使用して調理したそうです。

 油っこさがまったくなく、素材本来の味が存分に引き出されたものでした。

 よく山里の旅館などに行くと、食べさせてもらえることがありますが、これほど香りが強く、素材の味を引き出した、ふきのとうのてんぷらを食べたのは初めてでした。

 同時に、しいたけやサツマイモのてんぷら、エビとふのりのかき揚げなども出してくれましたが、どれも負けず劣らずでした。

 ひたちなか市は、食の宝庫です。海に面しているために、魚は新鮮、野菜類の産地でもあるので、そちらも新鮮なものが手に入ります。

 そんなことを感じていた矢先でした。

 姉の古くからの知人が、私共が滞在していることを知り、弟さんに食べさせて・・・とバインベリーを差し入れてくれました。

 このイチゴに関しては、下の2月3日(木)のところで記述したとおりです。どれほど新鮮で完熟しているかは、写真の色やヘタの部分を見ていただければ理解できると思います。

 ついでに大きさの比較をするために、500円玉とともに撮影した画像もアップしておきます。

 イチゴは、横浜でもスーパーに並びますが、立派なものは、高くて手が出ません。

 信じられないような価格で購入できるのは、産地ならではでしょう。

 地方に滞在していると、さまざまな点で、季節の移り変わりを感じることができます。ありがたいと思いながら日々を過ごしています。

 唯一残念なことは、日頃の取り組みの一つである、卓球練習ができないことです。

 しかし、これも成り行きです。深く考えないで、流れに任せて生活をしているところです。いずれまた機会が訪れるでしょう。その時まで、体力を落とさないための、別の手段を考えているところです。


Jackery SolarSaga 200
2月24日(木)
 このところ晴れている日は、精力的に太陽面の撮影を行っています。最新の画像は、こちらからご覧いただくことができます。

 冬場は気流の乱れが大きく、太陽面の撮影には不向きです。しかし、太陽全面の撮影であれば、気流の状態にはある程度目をつぶることができます。

 大きな黒点やプロミネンスが出ているわけではありません。それでも精力的に撮影を行っているのは、撮影から画像処理までのプロセス全体に慣れることと、それらに要する時間を短縮するためです。

 そして同時にパラメーターなどの最適化を行うためです。だいぶ感覚を思い出してきました。

 継続することにより、大黒点や大きなプロミネンスの噴出があった時などに、慌てないで対応できるようになるでしょう。

 撮影終了後に、1月に購入しておいたポータブル電源を、表題のソーラパネルから充電してみました。

 冬場の快晴時に、2枚同時に使用して約200Wでのポータブル電源への入力値でした。約2時間ほどで日が陰ってきてしまったため、そこでやめました。ポータブル電源残量が約40パーセントの表示でしたが、充電後は50パーセントになっていました。

 この新月期に、天体写真撮影に出かける予定にしているため、その日までに、満充電の少し手前までは充電しておきたいと思っています。ソーラパネルは、停電が何日か続いたときに、ポータブル電源への充電の手段として購入しました。しかし、よく考えてみれば、雨天・曇天の日には、使うことができないので、なくてもよかったかなと思っているところです。たまたま正月の初売り期間中であり、30パーセント引きで購入したので、これはこれで良かったとも思っています。

 横浜の自宅では、大きすぎて展開する場所がなかったのですが、ひたちなか市の滞在先なら、庭先に2つを同時に広げることができます。ただし、地面が土なのですぐに汚れてしまうのが欠点です。100Vの電源アダプターを使用しても、約200W程度で充電されるので、このソーラパネルは効率が良いと思いました。ただしかなり大きいので、取り扱いが大変でした。充電をしながら、こんなことをやっていて何になるのだろうかと考えてしまいました。
カーボン三脚(サイトロン カーボン三脚 SCT-53/AD-SW Ⅱ) 
2月16日(水)
 教え子のひとりから、マークX赤道儀を引き取った折に、三脚用アダプタをプレゼントしてもらいました。これに見合う三脚を探していましたところ、標記の三脚がセール特価で出ていましたので、入手することにしました。

 今日の午後、この三脚に、マークX赤道儀を載せてみました。想像以上に剛性が高いものでした。カーボン仕様なので、約2.1キロと軽量であることが特徴です。カメラ用三脚として利用できるアダプタや、三脚を収納するケースも付属していましたので、利用価値は高いと思いました。

 マークX赤道儀は、純正のピラー脚に載っています。ピラー自体の重さは17キロです。この組み合わせでこれまでたくさんの撮影を行ってきました。使い込んできましたので、信頼性は抜群です。たわみもまったくありません。

 今後も、天体写真撮影の遠征時には、このピラー脚を利用することになるでしょう。ただし、年とともに重いものを持ち運びするのは、いずれは限界がくるのではないでしょうか。

 また、速写性を要求されるような場面でのピラーの組み立ては、時間がかかりすぎますので、今回導入した三脚が効果を発揮すると思っています。


磯辺巻き
2月12日(土)
 昨日の昼食に、姉が磯辺巻きの餅を出してくれました。ただし、撮影しませんでしたので、写真はありません。餅は、厳選されたもち米を使ったもので、それ自体とてもおいしいものなのですが、さらに感心したのは、海苔の方です。香りが強く、味もとても良いものでした。おそらく今まで食べた海苔の中では、最高のレベルです。

 この海苔は、目の前の海で姉の知人が採ってきたものです。その方には、私共もこどもの頃に遊んでもらいました。天日干しして完成したものを持ってきてくれました。こんなにおいしい海苔は食べたことがないと思っていましたが、実はこどもの頃、毎日のように食べていたことを思い出しました。

 海苔が採れる時期になると、母が磯に入って採ってきてから、包丁でたたき、真水(海水?)に浸して、そのあと海苔すに敷いて天日干ししているのをよく見ていました。

 お弁当の中にも海苔がよく入っていました。このおいしい海苔が2段重ねです。毎日のことだったので、これが当たり前だと思っていましたが、昨日、久しぶりに食べて、こんなに贅沢なものを食べていたのだと思い知らされました。

 高等学校を受験するときに、滑り止めに日立市にある私立高校を受験しました。試験当日のお昼のことです。ストーブのまわりに、受験をしている生徒たちが集まり、皆で一緒にお昼を食べました。私共は同じ中学から3人が受験していましたので、彼らと一緒に食べました。そのうち、近隣の日立市などの中学から受験に来ていた生徒たちと友達になりました。女子生徒も含まれていましたので、それはとても楽しい時間でした。

 その時に食べたお弁当や、まわりの状況は、今でも強く印象に残っています。私共のお弁当は、母が握ってくれた、前述の海苔で包んだ、黒い大きなおにぎりです。中には、塩鮭が入っていました。しかし、日立市の彼女たちに目をやると、なんとサンドイッチを食べているではありませんか・・・。

 サンドイッチは、今ではコンビニなどで買えるので、珍しくも何ともありませんが、海辺で育った私共にとっては大変珍しい食べ物でした。おにぎりをほおばっているのが、とても恥ずかしくなってしまいました。・・・ああー 彼女たちは、ずいぶんと都会的なんだな・・・。これがその時の印象でした。・・・今にして思えば、都道府県魅力度ランキング最下位の茨城県の中のことです。所詮はドングリの背比べでしかありませんね・・・。

 試験は合格でしたが、その学校に行くことはなく、別の県立高校に行くことにしました。当時、私立の学校に入ることは、経済的な理由で許されませんでした。

 2011年9月8日(木)に、その学園の中学校から、移動式プラネタリウムのオファーがあり、実に久しぶりに学校に行くことになりましたが、敷地に入っても、当時の記憶がまったく思い出せませんでした。しかし、このようなめぐりあわせもあるものなのだと、不思議に思った次第です。

 さて、おにぎりの話に戻りますが、中に入っていた塩鮭は、こどもの頃に「塩引き」と呼んでいたものです。新潟県村上市などで作られているものと同じで、塩加減がややきついのですが、とてもおいしいものです。ご飯は、当時はまだ電気釜がなく、かまどにマキをくべて炊いていたように記憶しています。

 当時は、サンドイッチが、私共にとっては、別世界の食べ物のように感じましたが、今にして思うと、限りなく贅沢なおにぎりを食べていたのだなと思う次第です。母に感謝しなくてはいけませんね。
バッテリー充電器
2月11日(金)
 考え事をしながらバッテリーを充電しようとしていたようで、やってしまいました。車用の12Vバッテリーを天体写真撮影時に使用するため、時々充電を行っています。一昨日もそうでした。

 バッテリーにクリップを接続し、100V電源のコンセントを差し込むと、数秒もしないうちに焦げ臭いにおいがするようになりました。あれ・・・!と思って充電器の方を見ると、煙が出ていました。

 何があったのだろうと、コンセントを抜いて、いろいろ調べてみたら、バッテリーのプラス側にクリップのマイナス側を、バッテリーのマイナス側に、クリップのプラス側をつないでいました。・・・あー!やってしまった・・・と思い、本来の状態に繋ぎ変えて100V電源のコンセントに差し込んでみましたが、やはり煙が出ていました。

 これ以上は危険と判断し、あきらめて充電器を廃棄することにしました。もう15年近く使用してきたので、元は取ったと思っています。

 昨日は、横浜に用事があって、日帰りで横浜・ひたちなか間を往復しました。現在もひたちなか市に滞在中です。横浜で急いで用事を済ませました。そのあと、車のディーラーに行き、オイル交換とタイヤの圧力(窒素ガスを入れています)をチェックしてもらっている間に、新しいバッテリー充電器も調達してきました。大雪警報が出ていたので、いつ、首都高速の入口が閉鎖されてもおかしくない状況でした。最悪、一般道で戻るつもりでいました。

 私共の車に装着しているタイヤは、オールシーズンタイヤです。グッドイヤー製のVector 4Seasons Hybridと言います。タイヤのレポートは2019年1月25日(金)のところで記述しています。こちらです。

 夏場はノーマルタイヤほどの性能を発揮しないこと、冬場はスタッドレスタイヤに比べると、雪道を走るのはリスクが高いということになっています。特にアイスバーンが苦手です。以前はスタッドレスタイヤを装着していました。移動式プラネタリウムの仕事を終了したこと、そして保管場所のスペースの問題等を配慮しての、この選択です。まだこのタイヤで雪道を走ったことがありません。

 オールシーズンタイヤの中では評価の高い、このタイヤの性能を試してみたいとの気持ちもありましたが、一般道で戻るのは時間がかかるので、できれば今回は走らないほうがよいと思っていました。ただし、これまでに何度か、大雪で、首都高速や、関越自動車道の入口が閉鎖され、一般道を走ることを余儀なくされたことがありました。幸い今回は、入口閉鎖の前に、首都高速を通過することができました。

 バッテリー充電器は、さっそく使用してみました。極性を間違えて接続しても回路上は、警告の表示が出るだけで問題ありません。バッテリーの劣化度などもわかるようなので、良かったと思っています。

 今年1月にポータブル電源を購入したので、もしかしたら、バッテリーはもう必要ないのかもしれませんが、まだ廃棄するまでの寿命になっていないので、しばらくの間はこれまで通り、天体写真撮影時に12Vバッテリーを持っていくつもりです。思わぬ出費でした。写真は、新品のバッテリー充電器で充電を行っているところです。
太陽面撮影の再開
2月8日(火)
 再開のきっかけはふたつほどありました。ひとつは下の2月5日(土)に記述したとおり、マークX赤道儀が私共の手元に戻ってきたことです。

 もうひとつはここ数年、天体写真撮影に出かけるときに、現地で合流する星仲間が、太陽面の見事な画像をメールで送ってきたからです。素晴らしい仲間に巡り合えたことを感謝している次第です。大変刺激されました。

 いずれは再開をと考えていました。既に撮影を開始する環境も整っていましたので、彼に背中を押してもらった形です。

 撮影に使用するハードウエアは、これまでとほとんど変わりありませんが、ほかにTOA150B(高橋製作所製)という、個人で所有するにはかなり大きな屈折望遠鏡が加わりました。

 ただこの望遠鏡は、太陽に向けると筒内気流が激しく、解像度のきわめて高いこの望遠鏡の性能を発揮させるためには、それなりの試行錯誤が必要となるでしょう。

 これまでとほとんど変わりないと書きましたが、撮像用のカメラは最近のデバイスに置き換えました。ASI294MM Proという冷却CMOSカメラです。

 太陽面の場合は冷却の必要がないので、そのまま使用します。センサーの面積が大きいために、これまで4分割、あるいは2分割でモザイク合成していた画像処理の必要がなくなりました。しかし、それでも画像処理にはかなりの手間がかかります。

 白色太陽像の撮影に使用する望遠鏡は、下の2月5日(土)の写真の通り、BORG125EDを使用します。Hα太陽像の撮影には左のLUNT100THaを使用しますが、接眼部に取り付けるブロッキングフィルター劣化により、新品に買い換えました。これが3本目です。2021年6月27日(日)の、この「星雑記」にその時のレポートがありますので、よろしかったらご覧ください。こちらです。

 滞在中のひたちなか市は、冬場は安定した良い天気が続きますが、昼間もかなり気温が低いのが難点です。このため、ブロッキングフィルターを事前に温めてあげないと、本来の性能を発揮しません。

 横浜であれば、撮影前に数10分、太陽の熱にあてておけば充分なのですが、ここでは、それが通用しません。いろいろと考えた結果、天体写真撮影用のレンズヒーターで、ブロッキングフィルターまわりを温めることにしました。

 約1時間この状態で放置しておくと、本来の性能に近い状態を確保できるようです。上の画像において、撮影用の赤いカメラの下に黒いベルトのようなものが巻いてあるのがそれです。

 カルシウムK線撮影用のシステムは、CMOSカメラを除けば従来通りです。

 太陽活動は、次第に活発になってきているようです。機会が許せば、できる限りの撮影を続けたいと考えています。

 2月6日(日)、7日(月)と太陽面には、比較的大きなプロミネンスが出ていました。これが撮影を再開するタイミングとなりました。ちなみに今日は曇っていて見ることができませんでした。

 気流の状態はとても悪かったのですが、太陽面全体の撮影であれば、焦点距離もさほど長くないので、気流の影響は目をつぶることができます。

 右上の画面は、白色太陽像の撮影中の様子です。すべての画像を4000×4000ピクセル以上で動画撮影したのち、画像処理にかけています。これまでの撮影であれば、考えられないような画素数で太陽面を撮影することができるでしょう。2月6日に撮影した画像をこちらにアップしましたので、よろしければご覧ください。

 太陽面の本格的な撮影は、2017年9月11日(日)以来約5年5か月ぶりです。撮影や画像処理のプロセスの多くを忘れてしまいましたので、当時を思い出しながら、しかも新しいソフトウエアで取り組んでいます。様々なパラメーターの設定などは、これから追い込んでいきます。
マークX赤道儀
2月5日(土)
 右の写真は、庭先に組み立てた年代物のマークX赤道儀(五藤光学製)です。純正のピラーに搭載しています。ピラーの色は、もともとはグレーでしたが、私共がマークXカラーに塗り替えました。

 その上に載っている望遠鏡はBORG125ED F4(f=500mm)です。フィルムカメラ時代の鏡筒です。デジタル非対応ですが、このスペックの望遠鏡をほとんど見かけないため、今でも大事に使用しています。

 ただし、レンズには、不覚にも一度カビをはやしてしまいました。力技できれいにして今でも使用しています。イメージサークルがとても広いので、35ミリフルサイズのカメラでは、周辺減光はあまり感じられませんが、念のため、撮影後にフラット補正をかけています。

 この赤道儀は、一度は教え子に引き継いだものでしたが、いろいろあって、結局私共のところに戻ってきました。縁があったのですね。おそらく天体写真から卒業するまで使用することになるかと思っています。以前使用していた時と異なるのは、オートガイダーのハードウエアが変更されたことです。

 フィールドに持ち出す前に、正常に動作するかどうかを、今晩確認するつもりです。今日は、撮影のために遠征する予定でいたのですが、現地の天候が夜は思わしくないようなので見合わせました。

 滞在先のひたちなか市は、良い天気であるため、今夜のテストはできるでしょう。

 マークX赤道儀の背後に、ビニールシートをかぶせてあるのは、JP赤道儀(高橋製作所製 教え子からの借用品)です。順調にいけば、こちらも動作チェックと撮影テストを行う予定です。

 赤道儀を使用した本格的な撮影は、このところいろいろとトラブルがあり、実現していない状況です。うまくいくとよいのですが・・・。
イチゴと干し芋
2月3日(木)
 左の写真はどちらも、ひたちなか市の特産品です。

 イチゴはひたちなか市から出荷されている茨城県のブランドイチゴです。品種は「とちおとめ」で、つる付きのまま出荷されます。つるのことを英語で「バイン」というところからバインベリーと名づけられたそうです。

 生産農家が少ないらしく、市場で見かけることは稀です。通常のイチゴと比較すると、大変大きく、果肉が柔らかです。糖度が高くて味が濃いため、一度食べるとやみつきになります。

 写真のイチゴは、形があまりよくありませんが、私共の実の姉が、知り合いを通して比較的安い価格で入手したものです。

 干し芋は、地元では「かんそういも」とも呼んでいます。写真の物は、これもまた特別に分けていただいたものです。市場には出回らない極上品です。

 厳選された芋を、天日干ししたもので、ねっとりとした食感と甘みが強いのが特徴です。

 こどもの頃から食べているなじみの食べ物ですが、その頃に天日干しされていたものに比べても、写真の物の方が、おいしさは上回っているように思います。

 こどもの頃は、何の変哲もない海辺の町だと思っていました。しかし、このような特産品をいまだに生産し続け、それを食べることができることは、うれしい限りです。
カイロ
1月19日(水)
 冬場の天体写真撮影は、大変厳しいものです。暗い中での作業は、明るい場所で行う場合の、倍程度の時間がかかります。また、寒さが思考能力を低下させ、作業はさらに時間のかかるものとなります。

 じっと機材を見守りながら、星空に目を向け、寒さにじっと耐えながらの写真撮影は、健康とは無縁の世界です。年をとるにつれて、それはさらに厳しさを増すことになります。寒さが身にこえるようになるためです。

 寒さから身を守るために必要なのが、カイロです。フィルムカメラ時代には、カイロはレンズヒーターとしても使用しました。その頃に購入したカイロを今でも所有しています。右の写真の通りです。

 カイロにはいくつかの種類があります。使い捨てカイロ、カイロ灰を使用するもの、カイロ用ベンジンを使用するもの、ライター用オイルを使用するものなどです。全部使用してみました。どれも一長一短です。

 使い捨てカイロを除いては、全てのカイロをしまい込んでしまいました。その大きな理由は、冬場の天体写真撮影を行う場所は気温が低く、そのような場所では、どのカイロも立ち消えてしまうためです。

 カイロ灰を使用するカイロを、フィルムカメラ時代はレンズ用ヒーターに使用していたことがありました。しかし、途中で立ち消えてしまうことが度々あったため、その後、海外製のレンズヒーターを、12V電源で使用するようになりました。これは、現在でも使用中です。

 最近ではUSB接続で、リチウムバッテリーから電源を取るタイプのものもあります。車で撮影に行けないような、山の上にもっていくときには、このヒーターを使用することもあります。

 レンズ用ヒーターについては問題がなくなりましたが、ずっと問題を引きずってきたのが、体を温めるためのヒーターです。使い捨てカイロも途中で立ち消えてしまうことが多いため、つい最近、しまい込んでいた3種類のカイロを引っ張り出しました。外気温が低い中で、どのようにすれば、カイロを発熱した状態で保てるのか、さまざまなテストを行っているところです。うまくいったら、次の新月期から現場に投入する予定です。

 写真は、左から、カイロ用ベンジンを使用するハクキンカイロ(3個所有)、ジッポのライターオイルを使用するカイロ(4個所有)、カイロ灰を使用するカイロ(6個所有)です。ベンジンと、ライターオイルを使用するカイロは、燃料の量にもよりますが、10時間以上発熱します。カイロ灰を使用するタイプは約6時間ほど持続します。どれでもよいので、撮影現場で立ち消えをしないものがあればよいのですが・・・。
カスタマーサービス・カスタマーサポート
1月14日(金)
 コロナ禍の現在、買い物には通販を利用することが多くなりました。通販の場合は、実物を見ないで購入しますので、ネット上でよく調べてから購入するかどうかを決めます。お店で実物を見ながら、スタッフの方に説明を受けるわけではないので、ネット上で調べたからといっても、不明な点が多いこともたくさんあります。

 つい先頃購入したポータブル電源では、ソーラパネルも同時に購入しました。その接続部分のアダプタが、どのようなタイプの物を使用すればよいのかがよく理解できていませんでした。送られてきたアダプタを本体に接続しようとすると、差込口のプラグの形状が合いませんでした。

 困ってしまったので、同製品の発売元のカスタマーサービスに電子メールで連絡を入れました。営業日ではありませんでしたので、すぐには返事をいただけませんでしたが、直後の営業日に早速連絡がありました。

 そのメールには、添付ファイルに接続方法が丁寧に説明してありました。それは、私共の質問のために、わざわざ時間をかけて作図したとみられるものでした。その誠実な対応ぶりには、とても感心した次第です。いろいろやり取りをした結果、どうやら、購入時に私共の判断が誤っており、別のタイプのアダプタを選んでしまったような感じでした。

 その後、晴天の日に、ソーラパネル2個と本体を接続し、問題なく充電されているかどうかを確認することができました。これで一安心です。その日に、再びカスタマーサービスからいただいたメールには、粋な計らいがあって感激してしまいました。具体的には記述しませんが、その誠実さと対応ぶりには、頭が下がる思いでした。

 製品の印象を決定づけるのは、このカスタマーサービス次第です。よい製品を購入できて本当に良かったと思った次第です。このようなカスタマーサービスがバックについていてくれれば、今後も安心して使用できるでしょう。

 さて、似たようなケースが、以前にこのブログ「星雑記」の、昨年12月14日(火)のところで記述した、模型「TOYOTA 2000GT」でもありました。こちらは、カスタマーサポートと1度だけやり取りをしたことがありました。パーツの欠品があったためでした。その後、欠品したパーツのみではなく、その号が丸ごと送られてきました。しかし、すでに記述したとおり、その後は5号をもって休刊となってしまいました。

 がっかりしてしまいました。3号から定期購読を申し込んでいたので、代金の清算は先方で行ってくれるようでした。そのまましばらく放置していましたが、ある日、郵便物が発売元から届いていました。再刊でもしてくれるお知らせなのだろうかと思い、封を切ってみて驚きました。

 1号、2号を書店で購入していましたので、その代金を返金してもらうためには、パッケージに表示されている、あるマークを切り取って発売元まで郵送しなくてはいけませんでした。その代金の返金については、締め切り日近くまで放置しておくつもりでした。しかし、郵便物の中身は、休刊したことのお詫びと、郵便局でお金に換えるための小切手でした。1号と2合の合計の代金です。

 私共からは、まだマークを郵送していなかったので、おそらく3号以降の定期購読から判断して、1号と2号を書店で購入しているに違いないという判断だったのでしょう。これにも感心してしまいました。

 前述のカスタマーサービスも、後述の休刊に伴う発売元の処理も、商品の提供者としての良心をユーザーに示したものです。とても心が和む出来事でした。

 さて、TOYOTA2000GTの模型ですが、続きの話があります。

 つい最近になって、別の発売元から、今度は1/8スケールモデルが発売になることが、テレビのコマーシャルで流れていました。・・・あれ!と思って調べてみました。

 休刊になった模型は、1/6のスケールです。全長は69.5センチです。記憶がはっきりしませんが、当時の図面からモデルを起こしたようです。一方後者は全長が52.2センチです。実車のボディや内部構造を3Dスキャンニングで起こしたようですから、全く別物のようです。

 しかし、なぜ同じ時期に、片方は休刊となり、もう一方は新しく発売になったのか、その因果関係があるのかないのかも気になるところです。いずれにしてもあきらめかけていた、幻の模型が別の形で復活したことになります。定期購読すべきかどうか、判断に苦しんでいます。

 それにしても「走る芸術品」と呼ばれる、この車のスタイリングは、今の時代でもとても魅力的です。
パノラマ合成
1月12日(水)
 1月4日(火)から5日(水)にかけて、伊豆最南端の石廊崎で撮影した写真の中から、35ミリレンズで撮影した、冬の大三角とふたご座付近の画像がつながりそうだったので、パノラマ合成してみました。撮影データは、1月8日(土)のところでアップしたとおりです。

 単に2枚の画像をつなげただけですが、それでも、つなぎ目付近などの明るさや色調整にかなり苦労しました。2枚でこれですから、4枚になるとさらに大変になることが予想されます。最初からパノラマ合成を前提として写真を撮影するのは、失敗した時のことを考えるとハードルもリスクも高いものとなりそうです。

 しかし、その解像度などはとても魅力的です。まるで昔のブローニサイズのカメラで撮影したような雰囲気があります。今後挑戦すべきかどうか、思い悩んでいるところです。
1月の投影中止(関市まなびセンター 岐阜県関市 1月22日から23日)
1月12日(水)
 新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が急拡大していることが原因だと思いますが、来週末に予定されている、関市まなびセンターでのプラネタリウムの投影が中止となりました。

 今年度の投影は、新型コロナウイルスの関係で、昨年5月、6月、9月、そして今年1月の合計4回が中止となりました。投影ができたのは、7月、8月、10月、11月、12月の合計5回です。昨年度に引き続きウイルスに振り回されてしまったことになります。最近になって、やっと解説の感覚が完全に戻ってきたと思っていた矢先だったので、残念です。

 スケジュールから行けば、今年度の投影は、これでおしまいです。ただし、1月の中止分を今後の感染状況次第で、年度末の3月までに実施する可能性があるのかどうか、施設の判断を待たなくてはいけません。気を抜かないで、待機することにしたいと考えています。

 この情報を聞いたせいかも知れませんが、明け方見た夢は、幼児・低学年向けの投影に臨む場面でした。投影時間に間に合わなくて、焦っていましたが、その前の回の投影が遅れたため、やっとの思いで解説台(コントロールコンソール)に入ったところで目が覚めました。

 プラネタリウムで投影を行っている夢は、時々見ますが、そのほとんどが、投影時間に間にあわないで、観客の皆様を待たせてしまっている場面か、あるいは、投影時間には間に合っているものの、コントロールコンソールに入ると、おびただしい数のスイッチ類を見て、操作ができなくて血の気が引いている場面です。よい夢を見ることがありません。

 この先、どのようになっていくのかは、まったくわかりませんが、その時その時の状況を見ながら、臨機応変に対応していきたいと思っています。
ポータブル電源(Jackery ポータブル電源 1500)
1月10日(月)
 今年の4月以降の購入を予定していました。しかし、この正月に発売元のホームページをチェックしたところ、期間限定で正月の初売りを行っていました。30パーセント引きでしたので、前倒しして購入することにしました。

 Jackery(ジャクリと呼びます) Inc. はアメリカ合衆国に本社を置き、中国に最大拠点を持つ電子機器メーカーです。

 購入した製品は、同社の製品の中では最上位に位置するものです。リチウムイオン電池を使用したポータブルバッテリーで、重さは16キロあります。丈夫な取っ手が付いているので、男性なら持ち運びにも、さほど苦にならないはずですが、女性には、文字通り少し荷が重いかもしれません。

 幅は35センチ、高さ26センチ、奥行きが25センチほどあります。容量は1534Whです。この数字を聞いてもピンときませんが、30Wのノートパソコンに約30回充電が可能です。ポータブル電源として、現状出回っている製品としては、最大級の製品でしょう。

 デザインは、黒とオレンジを基調としており、とてもかっこうのよいものです。製品自体は、日本国内で製造されているような感じがしません。パーツが入っているパッケージなどを見ると、アメリカ製のように感じますが、どうも中国の別の会社からのOEM供給の製品のようです。はっきりしたことはわかりません。

 製品が届いたので、さっそくコンセントから充電をしてみましたが、5時間以内に100パーセント充電ができました。ただし、購入時に40パーセント近くまで充電されていたので、0パーセントに近いところからの充電ではどのくらいかかるのか、まだ測定していません。

 出力側に機器を接続すると、液晶画面が30秒間表示されます。入力・出力のワット数や、あと何パーセントまで使用できるのかなどが表示されるので、大変助かります。この表示は30秒間で消えますが、ディスプレイというボタンを押すといつでも表示されます。

 ソーラーパネルも2枚を同時に購入しました。ポータブル電源、ソーラパネル2枚を定価で購入すると、結構な金額になるのですが、30パーセント引きでしたので、大変助かりました。

 右の写真は、その1枚をケースから取り出したところです。もう1枚のパネルは、いちばん後ろにあります。

 予想はしていましたが、ソーラパネルはかなりの大きさです。重量も8キロほどあります。保管にもスペースを取ります。三つ折りになっていますが、展開すると、さらに想像以上の大きさになります。中央が山折り、両サイド側が谷折りです。展開すると折り目のほうに引っ張ろうとする力が強く、まっすぐに展開するには一苦労です。

 このサイズになると、展開するにも場所を選びます。充電時に、どこで太陽に向けて展開しようか悩んでいるところです。重量と大きさの比率を配慮すると、風にあおられる可能性が否定できませんので、その配慮も必要そうです。

 テストのために、まだスマートフォンを1回充電しただけですが、バッテリーの残量は98パーセントの表示でした。

 私共にとって、このポータブル電源を使用する本来の目的とは、天体写真撮影に使用するためです。写真撮影には、ノートパソコン、レンズヒーター、赤道儀駆動用のモータードライブ装置、冷却CMOSカメラなどのために電源が必要です。従来は車用の12Vバッテリー2台を使用していましたが、一晩持ちませんでした。

 ちなみに、石廊崎において撮影時に使用しているポータブル赤道儀は、単1乾電池8本で駆動します。消費電力は少なく、3夜連続で使用しても電池交換の必要がありません。ここは風が強い場所で、長焦点の望遠鏡やレンズによる撮影には不向きですが、その分、夜露が降りることがない日が多いように感じています。このため、レンズヒーターも必要ありません。ただ、海塩粒子が舞うことが多く、車をはじめ、各機器を塩にさらすことになるので、手入れを怠ることはできません。

 ポータブル電源は、約800回の充電が可能とのことです。私共の使用頻度では、1か月に一度充電するかどうかでしょう。仮にそうだとして、1年で12回、10年間で120回です。その頃には、天体写真から卒業せざるを得ないと思いますので、この機器は、いずれ教え子の誰かに引き継ぐようになるでしょう。

 まだ、撮影現場には投入していません。これからです。折を見て、使い勝手などをレポートしたいと考えています。このポータブル電源は、災害時にも役に立つことはもちろんですが、出番がないことを祈るばかりです。
天体写真8点
1月8日(土)
 1月4日(火)の夜から5日(水)の朝にかけて、伊豆最南端の石廊崎で撮影した写真の画像処理が終わりましたので、アップします。1月6日(木)のところで、よいのがあればと記述しましたが、今回撮影したのはこれで全部です。レリーズの設定ミスで1時間半ほど時間を無駄にしましたが、撮影自体は問題なかったことになります。

 冬の大三角を35ミリレンズで撮影した画像は、比較のためにディフュージョンフィルターを取り付けて途中から追加撮影したものと、フィルターなしの画像の2枚をアップしました。いずれも同じ構図ですが、フィルターを取りつけて追加撮影したもののほうが、露出時間が長くなるため、バックのコントラストの締まり具合がよくなっているようです。これだけ露出をかけると、画像処理の時の色調整もやりやすくなるためかも知れません。

 ただ、露出を長くすればよいというもではないと思います。空の暗さに問題なければという条件が付くのでしょう。実際、石廊崎における、冬の大三角の南中時のこの領域には、光害がほとんど感じられませんでした。冬のダイヤモンドを撮影した領域までもそうです。

 次回は、おおいぬ座の南側を中心にねらうつもりですが、カノープスまでを撮影対象に含められるのは、2月末までになるでしょう。今シーズンの冬の星座の撮影は、それでおしまいです。

 各画像の下に、撮影データとコメントをつけておきます。

撮影データ ふたご座付近
2022年1月5日01時23分から02時57分 EOS 1DX HKIR EF35mm f/1.4L USM F4.5 ISO1600 120秒×45フレーム 総露出時間1時間30分 ノートリミング
ダーク補正、フラット補正、かぶり補正、マークXポータル赤道儀改造機仕様で追尾撮影

 ふたご座付近が、やや西に傾いてからの撮影になりました。画面右側に光害が認められます。かぶり補正を行いましたが、もう少し補正したほうがよかったかも知れません。



撮影データ かもめ星雲付近(いっかくじゅう座からおおいぬ座)
2022年1月5日01時22分から02時53分 EOS 6D HKIR EF200mm f/1.8L USM F2.2 ISO2000 50秒×99フレーム 総露出時間1時間20分30秒 ノートリミング
ダーク補正、フラット補正、マークXポータル赤道儀改造機仕様で追尾撮影 HEUIBⅡフィルター使用

 おおいぬ座の1等星、シリウスの約7度北東にある散光星雲です。IC2177というカタログナンバーがついています。日本では、わし星雲と呼ばれることが多いのですが、ここでは海外の名称をつけました。Hα星雲を強調するHEUIBⅡというフィルターをつけて撮影し、星雲のディテールをあぶりだしました。もう少し露出をかけてもよかったと思っています。石廊崎では、このような低空の領域でも、南の空は光害がほとんどありません。



撮影データ 冬のダイヤモンド
2022年1月4日22時27分から5日00時36分
EOS 6D HKIR EF24mm f/1.4LⅡ USM F4.0 ISO1600 120秒×63フレーム 総露出時間2時間06分
16フレームにディフュージョンフィルター使用
ノートリミング、ダーク補正、フラット補正
マークXポータル赤道儀改造機仕様で追尾撮影

 前回同じ領域を撮影した時に、画面右下に雲がわいてきました。画像はそれでもよかったのですが、快晴の状態で撮影したいと思っていたので、今回、撮影しなおしました。光害もなく、よい状態で撮影ができました。


撮影データ 冬の大三角(ブライトスターを強調処理)
2022年1月4日22時24分から5日00時37分 EOS 1DX HKIR EF35mm f/1.4L USM F4.0 ISO1600 120秒×63フレーム 総露出時間2時間06分 ノートリミング
ダーク補正、フラット補正、17フレームにディフュージョンフィルター使用、マークXポータル赤道儀改造機仕様で追尾撮影

 この画像も前回に続いておなじ領域を撮影したものです。今回は雲の影響を受けることはありませんでした。光害のない場所で、これだけの露出をかければ、バックグラウンドの処理もたやすくなるようです。バックのコントラストや色合いは、まったく問題ありませんが、輝星の大きさが、大きい方がよいか、あるいは下の画像のように小さい方がよいかは、好みの問題だと思います。私共は、どちらかといえば小さい方が好みです。



撮影データ 冬の大三角
2022年1月4日22時24分から23時59分 EOS 1DX HKIR EF35mm f/1.4L USM F4.0 ISO1600 120秒×46フレーム 総露出時間1時間32分 ノートリミング
ダーク補正、フラット補正、マークXポータル赤道儀改造機仕様で追尾撮影

上の画像の途中でフィルターを装着する手前までの露出です。


撮影データ ぎょしゃ座からおうし座付近
2022年1月4日20時02分から22時01分
EOS 1DX HKIR EF35mm f/1.4L USM F4.0 ISO1600 120秒×35フレーム
総露出時間1時間10分 ノートリミング
ダーク補正、フラット補正
マークXポータル赤道儀改造機仕様で追尾撮影

 ぎょしゃ座からおうし座付近を35ミリ広角レンズで撮影したものです。画面右中央部より少し下に、すばる星団が青い色で写っています。

撮影データ カシオペヤ座からぎょしゃ座付近
2022年1月4日20時13分から22時00分 EOS 6D HKIR EF24mm f/1.4LⅡ USM F4.0 ISO1600 120秒×34フレーム
総露出時間1時間08分 ノートリミング
ダーク補正、フラット補正
マークXポータル赤道儀改造機仕様で追尾撮影

 カシオペヤ座付近からおうし座付近を流れる、冬の天の川の領域を24ミリ広角レンズで撮影しました。

撮影データ おおいぬ座からカノープス付近
2022年1月4日22時45分から23時22分 EOS1Ds MarkⅢ EF24-70mm f/2.8LⅡ USM 24mm F4.0 ISO3200 10秒×148フレーム
総露出時間24分40秒 周縁部トリミング、49フレームにディフュージョンフィルター使用
ダーク補正、フラット補正、三脚による固定撮影

 おおいぬ座から、りゅうこつ座の1等星、カノープス(画面中央部の水平線上の少し上に見える星)までを撮影しました。画面右下に光る、いくつかの直線状のラインは漁船の明かりの軌跡です。撮影にはノーマルカメラを使用しました。三脚に固定しての撮影です。本来であれば、撮影の間の日周運動で、星は弧を描く軌跡として写りますが、ソフトウエア上で、基準の画像を決めると、その位置に全ての星を戻してくれます。ただし、地平線化の景色は固定されるため、このような撮影が可能となります。

 カノープスは、シリウスに次いで明るい星(マイナス0.6等級)で白色に輝きます。この画像で黄色く見えているのは、地平線付近の大気による影響です。水平線上に見えるこの星の、石廊崎における南中時の高さは2.8度です。この写真はほぼ南中時ですが、大気の影響によりやや浮き上がってい見えているのでしょう。天気さえよければ、楽に見つけることができます。

 撮影に使用したレンズは、星像が小さく優秀なレンズだと思いますが、ズームレンズであるため、長時間の撮影の間に、レンズの焦点距離がわずかに変化してしまうことがあるようなので、注意が必要です。養生テープなどでズーミングを行うリングの部分を固定してしまえば、大丈夫かも知れませんが、試したことはありません。

 カノープスが見えている今シーズン中に、このイメージの写真を撮影することが目標でした。目標は達成しましたが、次回は、追尾撮影によりさらに露出をのばしてみたいと思っています。
天体写真撮影(石廊崎 静岡県賀茂郡南伊豆町 1月4日から5日)
1月6日(木)
 新年早々、天体写真撮影に出かけました。場所は伊豆最南端の石廊崎です。天体写真撮影は今年に入って初めて、石廊崎に行くのは、昨年の12月14日(火)から15日(水)にかけて行って以来、20日ぶりで通算6回目です。本来は1日(土)か2日(日)に行ってもよかったのですが、さすがに正月三が日に出かけるのは億劫でした。

 レナード彗星(C/2021 A1)の近日点通過が、世界時の1月3日になっていたので、気になっていました。西の水平線上に、日没後ほんの少しの時間だけ見えるはずでしたので、その時間帯に合わせて現場に到着できるように、横浜を午後1時頃出発しましたが、途中で渋滞に巻き込まれてしまったので、到着が少し遅くなってしまいました。彗星は、西の水平線上に低くたなびく雲の中でした。現場には、私共のほかにあとひとり、天体写真撮影に来ている方がいらっしゃいました。その方の撮影した彗星の画像を見せていただきました。夕焼けの中に短い尾を引く彗星の姿がありました。

 その方は、彗星の撮影が終わると、すぐに機材を撤収し、帰路につかれたようでしたので、撮影ポイントには私共が単独で残されました。今回も単独行動です。仲間や教え子を誘ってもよかったのですが、新年早々に声をかけるのは抵抗がありました。相変わらず風は強かったのですが、空はよく晴れていました。初めてこの場所を訪れた頃に比較して、空のコントラストがやや落ちてしまったように感じるのは気のせいでしょうか。西から北の低空の光害が、少しひどくなったように感じました。対岸の静岡市・焼津市・牧之原市・御前崎市の光害だと思います。これらは夜半を過ぎると少し改善されるようです。

 今回の撮影では、おおいぬ座から南の天の川をねらう予定でした。おおいぬ座が上ってくるまでの間に、天頂付近の天の川を撮影したのですが、カメラレリーズの設定でミスをして、インターバル撮影になっていませんでした。その間、車内で待機していたので、1時間半ほど時間をロスしてしまいました。

 予定を変更して、前回雲にさえぎられた、冬の大三角と冬のダイヤモンドを中心に撮影することにしました。3大流星群のひとつである、しぶんぎ座流星群の極大日を1日過ぎていました。それでも流星は多い方だろうと考えていましたが、ほとんど見ることができませんでした。明け方まで雲ひとつない快晴です。冬の大三角の間を流れる天の川が見事でした。山影から姿を見せたカノープスが南中し、水平線に沈むまで見ていました。

 いつもの風は明け方近くにやみました。午前3時頃まで撮影しましたが、広角系のレンズが中心だったので、この時点で撮影を終わりました。春の星座の間には銀河が多いので、この領域を撮影するには望遠鏡が必要となるためです。3月頃からの撮影を考えています。

 夜明けまで車の中で仮眠し、明るくなったところで機材を撤収。そのあと現場で朝食をたべてから、帰路につきました。途中の伊東市で温泉につかり、昼食を食べました。・・・と、ここまではよかったのですが、この先にあれだけの渋滞が待っていたとは夢にも思いませんでした。

 真鶴道路の料金所手前から渋滞していました。小田原までそれが続きます。西湘バイパスの早川インターチェンジから小田原西インターチェンジまでのリニューアル工事が始まったからだと思います。往路でその情報は把握していたのですが、まさかこれほどまでとは思いませんでした。

 朝8時に撮影ポイントを出発して、自宅に戻ったのは午後5時30分過ぎです。すっかり暗くなってしまいました。おそらく3時間近く渋滞の中にいたと思います。常に渋滞を避けるような時間帯に車を走らせるようにしていますので、これほどの渋滞に巻き込まれたのは久しぶりでした。

 自宅に戻ると、海塩粒子を浴びた車の洗車を行いました。放置しておくわけにはいかないので、暗い中での洗車となりました。できれば2月にも石廊崎に行って、おおいぬ座の南の天の川を撮影したいと考えています。撮影した画像は、画像処理が終わり次第、よいものがあれば、アップしたいと思います。
2022年を想う
1月6日(木)
 明けましておめでとうございます。今年も私共のホームページを、どうぞよろしくお願い致します。

 プラネタリウムの仕事にかかわるようになってから、今年で50年目に入ります。半世紀にわたりこの仕事に取り組んできました。最初の頃は、この仕事を極めようと思いながら、仕事に関連するさまざまなことを学んできました。そのなかには、時代が変化しツールも変わってしまったために、不要となってしまったものもありますが、だからといって無駄にはなっていません。

 例えば、昔は投影において、スライドでさまざまな説明図を使うので、それを作るために、イラストを勉強し、きれいな文字を描くためにPOPライティングを習得しました。しかし今では、スライドはパソコンの静止画や動画におき換わり、その文字は、練習しなくても簡単に描けます。しかしながら、そこで覚えてテクニックは現在、風景画を描くときに役立っています。身につけたさまざまな分野のテクニックは、形を変えて今も役に立っています。

 どのような仕事でもそうだと思いますが、プラネタリウム解説においても、年をとるにつれて到達点など存在しないということがわかるようになります。ただ、それでもその先を目指すのは、おそらくプラネタリウム解説者としてのプライドなのでしょう。最近では、解説者として、観客の皆様から入場料を頂戴しても恥ずかしくないレベルで投影ができている間は、体が許す限り継続したいと思うようになりました。

 移動式プラネタリウムの出張投影の仕事は、2017年の12月で終了しました。現在は、関市まなびセンターでの投影を残すのみです。ただ、次年度以降どうなるかは、施設次第です。ましてやこの、コロナ禍のご時世です。公共施設ですので、予算が認可され、なおかつコロナ禍が収束すればればという条件が付くのだと思います。

 手書きイラストは、すでに31作が完成しています。今年もこのイラスト制作を中心に日々を過ごすことになるでしょう。そのほかの時間は、体を鍛えるために使っています。近くの公共施設において、卓球の練習を今年も継続するつもりです。出かける予定のない日は、朝、太陽を観測して、それからイラスト制作、卓球、そして、新月期になると、天体写真撮影、というパターンが、ここ数年間の日々の過ごし方です。

 この年末年始、横浜は、とても穏やかで快晴の良い天気が続いていました。しかし、今日は一転して雪です。既に積もり始めています。1月の上旬に雪景色となったのは、ずいぶん久しぶりであるように思います。

 今年の目標というものは、特にありません。健康に気をつけながら、上記の取り組みを継続するだけです。年をとるにつれて、日々の何気ない時間が、とても貴重であるように思っています。

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